『文武両道』の牽引役 |
| 広島県立広島観音高等学校校長 山廣 康子 |
昨年3月末、本校への赴任が決定し、引継ぎのために初めて訪れたときのことです。たまたま出会った生徒たちは、次々に立ち止まって、自転車に乗っていた生徒たちは、わざわざ降りて、「こんにちは」と挨拶してくれました。来校者に対する礼儀正しい挨拶に、まず感動しました。校舎からは、楽器の演奏や生徒たちの生き生きとした声、グランドや体育館からは、サッカー部をはじめとする体育系クラブの練習に励む元気な声が聞こえてきました。明るくて元気な学校という第一印象を抱きました。
すばらしい出会いが待っていました。『文武両道』の進学校への再生、その第一歩です。引継ぎ終了後、「会って欲しい先生がいます」と紹介されたのが、サッカー部の監督と部長でした。観音の学校経営には、サッカー部が大きく関わっていると直感しました。学校がクラブ活動で活性化していることやサッカー部が中心となって、規律・マナーが引き継がれていることがよく分かりました。監督の畑先生が10年かけて指導してきた成果でした。サッカー選手として成長するためには、練習に打ち込むだけでなく、勉学に励み、正しい服装・挨拶・態度・マナーを身につけることが大切であるという指導理念です。その独自の指導理念・生徒の自主性を尊重した指導方法は着実に実を結び、平成17年度には、全国高校サッカー選手権・全日本ユース大会で、ともにベスト8という輝かしい戦績を残しています。類まれな偉大な指導者である畑監督は、
- 文武両道を目指し、日本一魅力あるチームづくりをする。
- 自主自立の精神で、何事も前向きに行動する。
- 互いに思いやり、感じあい、『チームの和』を大切にして、『信頼と絆』を築き、観音高校を愛する心意気を持って、サッカーに打ち込む。
というテーマを掲げ、全国制覇にチャレンジしていました。このテーマは『二中魂』、そして私の教育理念にも通ずるものでした。即座にサッカー部の応援団長になろうと決意しました。
さらになんとサッカー部の部長は進路指導主事で、観音高校のOBでした。本校は創立85周年の伝統校で、古くは『二中』として親しまれていました。普通科時代の平成3年度には国公立大学合格者116名を輩出する規模の進学校でした。しかし、平成10年度に総合学科に改編されて以降は、就職・専門学校の観音高校というイメージが浸透し、国公立大学合格者数は激減しました。この状況を打破し、自由と規律という二中の伝統を復活させ、『文武両道』の進学校への再生に向けた努力が続けられていました。進路指導主事は、その中核としてリーダーシップを発揮し、様々な成果をあげていました。国公立大学合格者数も増加していました。
学校改革の基盤はこれだと閃きました。技術の向上を図るだけでなく、人間教育を基本に据えたクラブ活動のさらなる活性化とともに、飛躍的な学力・進学実績の向上を目指すこと。それが私の責務・使命であると確認し、『進学を重視した総合学科』へと大きく舵を切りかえました。教職員と信頼関係を築きながら一丸となって諸策に取り組んでいます。昨年度から2年連続、進学指導重点校の指定を受け、それを追い風にして、『文武両道』の進学校への再生は大きく前進。学校改革への意欲も一段と高まっていますが、2年連続インターハイに出場し、昨年『インターハイ初出場・初優勝』という偉業を成し遂げたサッカー部は、まさにその牽引役を果たしています。
今後もこのサイトを通して、皆様と共に本校サッカー部を応援していきたいと思っています。 |